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芥川賞受賞のインタビューを観て、私も少し真似事がしたくなりました!笑 「共喰い」と言う小説でしたね!刺激的な題です。父子の因縁を描いた作品と聞きました。興味深い*この田中さんと言う方は面白い人ですね!私は好感が持てました。 男として信用出来ますね*きっと損得で物事を観ないでしょうね*火中の栗も拾いそうです。ただ働いていないのが、少し気になりました。しかし、働いていたりすれば、労力を奪われますから、良いモノは書けないのかも知れませんね?他人様のことですから、私がトヤカク言うものではありません。



「はあ!生まれて来ない方が良かったなあ*」と、溜息の後、少年は呟きました。人間はオゾマシイ生き物。ある田舎町にその少年は生まれました。どんな経緯で生まれたのか?その少年は知りません。少年の傍には、いつも犬がいました。短毛の犬です。耳が三角に立っていて尻尾が短い犬でした。サンダーとヘンリーと言う名前だった。でもサンダーは数か月、少年の家に居ただけで、直ぐに何処かへ貰われて行きました。モノの様にゆきました。そして、また数か月で死にました。誰かの都合で運命は変わります。命が貰われる?その少年は思いました。僕の傍に居た方が絶対幸せだったのに*少年は他の人間の遣ることが、何時も理解出来ませんでした。  少年は毎日、犬と二人で遊んでいました。最初、二匹の犬が居たことで幸福に満ちていましたが、一匹が貰われてしまったことで、虚無感を覚え、自分ではどうにも出来ない空しさを知りました。最初から一匹であれば良かったのになあ?そうすればこんな気持ちにならなかったのに!と思いました*人間という生き物は、在ると言う事実は受け入れるのですが、一旦手に入れて何か無くすと、寂しさを覚え嘆きます。魑魅魍魎で不思議な妖怪です。親から何時も叱られていた少年は、時々犬小屋で寝ていました。人間社会から逃れられる場所だったのです。人間世界から解放される場所だった。その犬小屋の匂いは獣の匂いでしたが、心地よい安らぎを与えてくれて気持ち良く眠れました。



少年は、時々犬に話し掛けていました。「生まれて来なければ良かった*」と・・・犬は少年が話し掛けると、いつも首を傾げて見て居ましたが、しかし、ある日、また同じことを呟くと犬が返事をしました。「どうしてでやんすか?」少年はビックリして飛びあがりました。「おおおお前喋れるの?」 そう聞きますと、犬は、「人間の言葉は全部解るよ!だって同じ動物だもん?オイラたちが吠えるのと同じでやんす!人間は言葉を言葉だけで聞くから解らないんだよ!ちゃんと観て感じれば何でも分かるよ!ほら、よく人間たちがオイラたちを呼んでも、傍に行く時もあれば、行かない時もあるでしょう!オイラたちはちゃんと観て聞いているでやんす!命懸けで生きているオイラたちにとっては当たり前の事なのさ!その人間の言葉が嘘なのか?本当なのか?良い奴か、悪い奴かも解るよ!人間様は言葉だけを信じる?何ででやんすかね~?人間には生きる野生の本能が無くなったでやんす!オイラたちは、そんな同じ低次元の言葉で話したくないだけだよ!人間は優しい時もあるけど、憎しみ合い殺しあって酷いこともするでしょう*その原因は、大体人間の言葉が原因らしいでやんすね*約束は言葉でしょう!嘘も言葉でしょう?オイラたちは、そんなモノは当てにしないのさ*生きているんだから明日の事なんて分からないのが当たり前なのでやんす!その時の友情だけを信じるんだ!人間は、優しい顔しながら可愛がってくれても、何か自分の都合が悪くなれば手の平を返すでしょう!そして、直ぐに捨てたり、人にあげたりして、誠に自分勝手なんでやんすよ!本当は飼い続けたいとか何とか言っちゃって、体裁の良いことを言う!子供がアレルギーになった!気管支に悪いからとか、方便や嘘をへッチャラで言うのさ!嘘を誠にする便利な道具が人間の言葉なのさ!いい気なもんさ*オイラたち動物の仲間で嘘を付くのは、人間とゴリラとチンパンジーだけでやんすからね~人間の種類だけなんだよ!」「ゴリラもサルも嘘を付くの??」 そう少年が驚き聞きました!「ウンそうだよ!ついでに言うけど意地悪もするし、苛めたりもするでやんす*人間見たいに言葉で嘘は付かないけどさあ~知っているのに知らん顔したり、まだ餌があるのに隠して無い振りもするんだ!ズルいんだよ!人間の種類たちは*本当にダメな奴らさ~どちらが高等動物なんでやんすかねえ?人間の理性というモノも疑わしいモノでやんす?」そう聞いた少年は少し怒りました。そして、こう反論したのです。「嘘だって良い嘘もあるし、仕方ない嘘もあるんだよ!正直ばかりが良いことばっかりじゃあないよ!」そう言われた犬も口をへの字に曲げて不機嫌になり、また続けて言いました。「そこが人間が出来ていない所さ!」 少年は更に怒り言いました。「何だと!どこがイケナインダ☠!」「だって正直に言って、怒られるとか?後が怖いとか?不利になるとか?そんなことで嘘を付くんだろう?そんな見せ掛けのことで済ませよう何て人間が出来ていない証拠でやんす!」それを聞いた少年は、「可哀想な人を庇う為や、誰かを悲しませたくないから仕方なくすることもあるんだよ!じゃあ君たちには嘘が無いのかも知れないけど、子殺しをするだろう!そっちの方が余程酷いじゃあないか*」言われた犬は呆れて言いました。「低次元でやんすね~そう言うのを議論の摩り替え!言葉狩りって言うんでやんすよ!オイラたちは、確かに本当の狩りは巧いんでやんすけどねえ~!あはは!君は少年だから、まだこの皮肉的揶揄が解んないか?ワンワン!仕方ないな!オイラが大人になって辛抱するとしやすか*じゃあ言わさせて貰いますがね~人間は虐待して殺すでやんす!オイラたちは本能で新しいオスがするでやんすよ*母親は殺しません*オイラたちの仲間の母親は、自分勝手な感情で絶対子供は殺さない!人間は母親が、カッーとなって殺すでしょう*お母さんの私がこんなに頑張っているのに?とか言って、泣き止まない赤ちゃんを床に叩きつけて殺す!頑張っているのが自分しかいないと思っているでやんすね?誰でも皆頑張ってますよ*あんたはお姫様かっちゅうの?自分で自分を褒める奴は恥知らずの人間しかいないでやんすよ!甘ったれでやんす*でも、まあ人間が出来てないと言うか、動物が出来ていないんだから仕方ないんでやんすけど?へへへ*いつも自分たちだけが正しいって考えているんだね!可哀そうな動物だ!子殺しと言うけど、あれは自分の子孫を残す為に、それこそ仕方ないことなんでやんすよ~  子供が憎いとか、自分勝手の悪い感情でしているのではないのでやんす!前のオスの子供がいると、メスは子供が生めないんだ!メスの発情を促す為にするのさ*自分がボスで居られる時間は、そう長くはないんでやんすよ。二年か三年で運が良くて5年くらいなんだ*その短い間に自分の子供を作らないと存在価値がなくなるんでやんす!そう言う本能なんだから仕方ない!まあ、生きるか死ぬかで日々生きていない人間様にはワカンナイでやんすかねえ~そう言えば人間の動物学者たちも、いい加減な事を言っているでやんす!オイラたちの一部分だけを捉えて全て分かった様に言う?信じられないでやんす*人間だって人種が違えば価値観も違うでしょう!隣の家に住んでいる人だって同じじゃあない!オイラたちだって同じ!また常に進化しているでやんす*オイラたちの生態を知る前に、人間の生態をよく観察して役立てた方が、どれだけ生産性のあることか?人間同士仲良く遣れないのに他の動物の事なんて解るんでやんすかね?自分たちのことを知りなさい!人間の側からオイラたちの事を知ろうとしたって、本当のことは解らないでやんすよ!驕りも甚だしいワン!」少年は、何か無理やり納得させられて居る様に感じながら、また、言い返せない自分自身が悔しく唇を噛んでいました。



「ねえねえヘンリー!さっきメスの発情って言ってたけど、発情って何?ぼく解んないんだ?」犬は眉間にシワを寄せて言いました。「困ったでやんす!どうして、そんな言葉に興味を持つんでやんすかねえ?」 そう言われた少年は余計聞きたくなりました。 「君は嘘は付かないんだろ?だから聞くのさ!」そして犬は、「あんたは何歳でやんすか?」「もうすぐ10歳だよ」「10歳ねえ?まだ早いでやんすね*もう少し大人になるまで待てないでやんすか?」「嫌だ!待てない!」と少年は大声で叫びました。少年は内心、ヘンリーの困った姿を見て何か嬉しくなり、勝ち誇った様な気分になっていました。畳み掛ける様に、「何で教えてくれないの!嘘は言わないんでしょう?」「ワンワンワン!」「急に犬に戻らないでよ!教えて!教えろ!」犬は前足で鼻を擦って考えた後、下を向いてこう答えました。「これは教育的配慮で言えないんでやんす!」「ヘンリーズルいぞ!君も人間の大人たちと同じじゃあないか!偉そうな政治家や威張る大人たちは、都合が悪くなると、直ぐ難しい言葉を並べ立てて誤魔化すんだ!バカ~*」 今度は犬が舌を噛んで悔しがりました。そして、犬は何か良い例えがないか考えました。「そうだ!発情とは恋でやんす!恋だよ恋*」「え~?恋なの?好きになると言うことが発情?絶対ウソだ!」そう言われたヘンリーは、また考え込んでしまいました。答えてくれないヘンリーを睨みながら、少年は違う質問をして見ることにしました。「ねえ~じゃあさあ~君たち犬にも好きになるとか、結婚するとかあるの?」犬は答えました。 「そんなモノはないでやんす!分けるのがオカシイでやんす!」「えっ!そうなの?可哀想に*」「どうして可哀想なんでやんすか?オイラたちは、その時にフィーリングが合えば、その時に結婚するでやんすよ!何でそれが不幸なんでやんすか?」「だってずーと一緒に要れないじゃん*」「人間は、ずーと一緒に要られることが幸せなんでやんすか?」「犬はそう思わないの?」「そりゃあ思わないでやんすよ*」「なんでなの!」「なんでって自由が好きでやんすから!通い婚でやんす!人間の世界にも昔はあったんでやんすよ*」「そうなの?でも不思議な生き物だね*犬って!」「不思議なのは、人間たちの方でやんす!永遠とか?未来永劫とか?明日の命も解らない?また、何時か必ず死ぬことが分かっているのに、永遠何て考えること自体オカシイでやんす! オイラたちからすれば、ちゃんと現実を観ていないと思うでやんす!きっと嫌なことは受け入れたくないでやんすね*」得心行かない顔をした少年は更に質問しました。「ずーと一緒に居たいと思うことは愛でしょう?」「愛と恋の区別が犬にはないでやんす? 好きも愛も恋も皆一緒でやんす!人間も同じでやんすよ!きっと!多分?」「そうなの?人間の愛と恋も同じなのかなあ?いや、好きになる人と、結婚する人は違うと聞いたことがあるから、きっと違うんだよ!」 そう言う少年に犬は、「それがマヤカシでオカシイデやんす!何で分けたがるんでやんすかねえ?損得を考えているからじゃあないの?オイラたちは好きなものは好き!それだけでやんすよ*その方が綺麗な考え方だし、美しいと思うでやんすけどねえ?全て長く続くことが美徳なんでやんすか?一日一日精一杯生きて終わる!それで良いでやんすよ*何の悔いも残さない!その方が絶対綺麗でやんす*」「愛と恋は同じなのかなあ?そっち系はそっち系だけど?何か違う気がするなあ?」「系?毛!何でやんすか?ケイってどこの毛の事でやんすか?」「その毛じゃあないんだってば!」「KO系とか訳のワカンナイ流行言葉は使わんで欲しいでやんす! ヨサ毛とかも、あれは良さそう?と言うんじゃあないの?本当に人間は毛が好きなんでやんすね!アザース!って何ですか?正しく話して下さい。言葉を短縮したり、変な語尾上げや、造語を付けるのは人間の悪いところでやんすよ*」

愛と恋愛

今度はヘンリーが少年に聞きました。「本当に人間の、愛と恋は違うでやんすか?」「僕は、まだ本当の事がワカンナイけど、多分違うと思うよ?犬は同じなの?」「何度も言うけど同じでやんす!その時々でやんす*分かった!人間は、考え過ぎて解らなくなるんでやんすよ!本能の事を頭で理解し様とするからオカシクなるんでやんす!オスは視覚で感じて、メスは子宮で考えるでやんす!人間も同じだと思うでやんすけどねえ!」「子宮って何でやんすか?」「また、そっちに行っちゃうでやんすか?!あんた最低でやんすね☠!」「そして、何であなたまで犬語のナマリで喋るの?」「ヘンリーのがウツッタデヤンス!」「???」一瞬の間が空き、二人で大笑いしました*少年は、きっとエッチなことだなあ?と薄々感じ始めたのです。 「そう言えば君たち犬は、オスが子供の面倒をみたり、育てたりしないの?」「そうでやんすよ!動物の殆どのオスはしない。メスが育てるでやんす!オスに子育ては無理でやんす*そんな能力はないでやんすよ!メスは誰の子供でも自分で産めば自分の子供でやんすからねえ~!そして、動物は一夫多妻でやんすから、そんな暇はない*」「沢山の奥さんが居ても良いの?男がズルくない?」「全然ズルくないでやんすよ!女は相手を選べるでやんすよ!決定権はメスにあるでやんすから*オスは品定めされるだけ!男は種を撒くだけで役割や価値が無いでやんすからね!それで終了!ハイ終わり*オスは絶対生めないんでやんすよ! 寂しいもんです。男なんて*生きる意味がそれしかないから、仕事をして皆を養い、役に立とうと必死に働くでしょう!物の収集癖も、男に存在価値がないから、意義や価値を物に求めて生き甲斐とするんでやんす*」「へ~え!そうなんだね*」「ゴリラは、子供が作れなくなったりしたらオスは死ぬでやんす!人間も同じで、本来はそうだと思んでやんすけど*」



少年は義父が外出し様とすると、よく母親に一緒に付いて行く様に言われて無理やり行かされていました。その少年は義父と外出することが嫌でした。悲しいかな、それが言えない子供だったのです。母親は、浮気の心配をして少年を付いて行かせていただけなのです。外に出掛けると、必ず少年は一人で置き去りにされ、義父は別の女性の所へと急ぎます。その間の時間は、とても長く感じられ、言い知れぬ恐怖と不安が入り交じり暗黒の闇の世界でした。一人ぽっちの寂しさを知りました。時の流れる音や、時計の秒針が時を刻む音が記憶に刻まれました。ある時は、池の畔で待ち続け、ある時は山の中や、車の中で待ち続けました。ちゃんと迎えに来てくれるのかが心配で押し潰されそうな思いだった。 怒られてばかりの生活が身に付いていた少年は、何をしても叱られる様に何時も怯えていました。だから外で遊ぶのが大好きでした!そんな家庭環境が原因が影響し、NOを言えなくなったのでしょう。その少年に妹が生まれてからは、もっと悲惨で最悪な生活になりました。それは、義父が別の女性と戯れる姿を妹に見せない様にしなければならないからです。少年には、何故自分がそうしているのか、何故自分がそうしなければならないのか?自分でも分かりませんでした。それによって憎しみが湧き出すこともありませんでした。少年は夢の別世界に行っているのだ!そう思う様にしていました。誰にも何も言わない葛藤です。そう言うことから離れたいと思う心は遠くにあったり、近くにあったりしました。逃避行が犬との暮らしだったのです。少年は犬になりたいと考えていました。



ヘンリーが言いました、「生まれて来なければ良かった何て贅沢でやんす!屋根のある所で寝れて、ご飯も食べれる?それだけでも幸せなんでやんす!オイラたちの中には、家もない!ご飯も何時食べれるか分からない奴が沢山居るんだ*野良は長くは生きられないでやんす*・・・」そう少年に話しながら犬は黙り込んでしまいました。少年が続く言葉を待っていましたら、首を傾げてウンウンと頷きこう言いました。「でも、時々オイラは思うでやんす。野良の方が幸せかなってさあ?保健所の人間に捕まって殺されても、それは運命でやんす!誰の指図も受けないで暮らし、媚びたりしないで生きられるんでやんすからね*君はどう思うでやんすか?」少年は少し考えて答えました。「あの貰われて行ったサンダーは幸せだったのだろうか?短い命だったけど生まれて来て良かったんだろうか?長く生きていれば幸せなんだろうか?」・・・「そうでやんすね~あのトルストイ大先生も、人間の人生は無意味なものだ!と言われていたしたから、動物は、みんな短いも長いもないのかも知れないでやんすね?」「トルストイって誰?」「トルストイを知らないでやんすか?」「ウン!」「トルストイ大先生は、神様に最も近い人間の思想家でやんす*」「偉い人なの?」「当たり前でやんす!インドのガンジーさんとも友達だったんでやんすよ!」「ガンジーって何処のオジイさんなの?」「もうあんたには話したくないでやんす*」



ヘンリーは、思い出した様に聞きました。「あなたは、どうして生まれて来なければ良かった*何て思うのでやんすか?」少年はジーと遠くを見つめていたかと思うと、ゆっくり俯き悲しい目をしてこう答えました。「簡単なことだよ!知らない方が良かった事が沢山あるからさ*どうしようも出来ないことが沢山あるからさ*」ヘンリーは、少年の目を下から覗き込み、何も言わないで心配そうに見て居ましたら、自然と少年の目に薄っすらと涙が滲み出していました。少年は、それを犬に見られない様に膝を抱えました。すると、犬は少年の近くに行き肩に寄り掛かり、片手を少年の腕にそっと乗せました。少年は、ヘンリーの肉球に力が入り腕を掴むのが分かりました。すると少年の肩が震え出し、しゃくり上げながら声を出さずに泣いていました。少年の頭の中には、道路で犬や猫が轢かれて死んでいる姿、野良ネコや野良犬が餌を求めて泣きながら近寄って来る姿、子供が人前で殴られている姿、大人に子供が苛められている姿、集団で一人を攻撃する姿、老人が若者に怒鳴られている姿、子供や老人が震えている光景など理不尽なことが走馬灯の様に頭を過ぎっていました。もう、こんな人間の世界なんて嫌だ!生まれて来ない方が良かった***



少年は、何時も思い悩んでいました。生きるべきか?死ぬべきか?人間の恐ろしさを知れば知るほど、生きることが嫌になっていました。しかし、犬が教えてくれた、「生きているだけで幸せなんだよ!」と言う言葉が辛うじて支えになっていました。しかし、ある日、少年のことで親同士が喧嘩している姿を見たことや、公園で子供たちが紙袋に野良ネコを入れ、滑り台の上から投げている光景を目にしたこと*学校で意地悪な子が先生の前だけ良い子振り、悪者にされた貧しい子を、先生も一緒になって苛めている姿を見て決断をしたのです。「もう、嫌だ!ヨシ!僕は家出をする!」と・・・誰にも言わないで家出をするつもりでいましたが、ヘンリーにだけは言いました。少年は、どうしてもヘンリーにだけは伝えておきたかったのです。何故なら、散歩にもう連れて行ってあげられなくなるからです。少年は、何時も犬の行きたい方に行かせてあげる散歩の仕方でしたから、きっと違う人間が連れて行けば、もうそんな散歩が出来なくなるだろうなあ?それに何時もオヤツがあると半分ずつ分けて食べていましたから、もうそんなことはしてあげられない*そう悔やんで申し訳ない気持ちがあったからです。少年は、自分自身が抑え切れずに、自ら野良になることにしたのです。その気持ちがヘンリーにも伝わったのでしょう*ヘンリーはこう答えました。「一人では行かせれないでやんす*オイラも一緒に行くでやんす!」と言いました。そう言うヘンリーに少年は言いました。「もうご飯が食べられないかも知れないんだよ!それでも良いの?」ヘンリーは言いました。「何時もオイラのことを人間と同じ様に考えてくれたお礼さ!オイラは分かっていたよ*散歩する時の気持ちも、オヤツを半分に割ってくれる時も、必ず大きい方をオイラにくれていたでしょう*知っていたんだ!オイラがどれだけ嬉しかったか、あなたに解るでやんすか?直ぐにオイラが食べなかった時、ヘンリー要らないの?と聞いていたけど、あなたの気持ちが嬉しくて直ぐに食べられなかったでやんす*心で泣いていたでやんすよ*ク~ン***」 そう聞かされた少年は、犬の首を抱きしめ耳を軽く噛んでいました。人間は皆、慣れた環境に安心感を覚えますから現状維持に努めるものです。 しかし、野生動物たちは、独り立ちを当たり前の様に受け入れてゆきます*二人は兄弟の様になっていました。

月 

犬との約束通り、八月も終わりに近づいた頃、月曜日の朝に家出を決行しました!家出には相応しい良い天気でした!ポケットには全財産の370円が入っていました。お気に入りの白いシャツと青いジーパン、そして靴はなく、素足にビーチサンダルです。帽子は、カーボーイハット!二人の行き先は、人間世界とは別世界の人の居ない森を目指していました。二人は、これから始まる過酷な生活も知らずにルンルン気分です。お菓子を分け合いながら歩いては休憩していました。お腹が空くとアメリカンドックを買い、大好きなコーラを飲み、ヘンリーには公園で水を飲ませました。山の見える北へ北へと向かったのです。夕日が沈み段々当たりは暗くなって来ました。でも二人は、寂しさなんてこれっぽちも感じていませんでした。しかし、夏とは言え夜になりますと、二人は段々寒さに耐えられなくなって来ました。

小さな灯のある方に歩いて行きました。そこにはホームレスの人が二人居ました。そう灯の火は焚火だったのです。

水森の中に池を見つけると

空を自由に飛べる鳥たちを見て少年は言いました。「良いなあ!鳥たちは自由に何処でも行けて!」それを聞いていた犬は、「自由と引き換えに安全がないでやんすよ*」



森の中に入って行くと、葉が揺れる音や、水の流れる音、鳥の鳴き声、ヒグラシの虫の声が聞こえて来ました。人間の世界から離れられた解放感や、時の流れを感じさせない空間が二人にはとても心地良く幸せな気持ちになっていました*「もう僕たちは自由になったんだね*」「そうでやんすよ*」 嫌な事なんて何もない世界に来たんだ!これが本当の命なんだ*」






僕は死と言うモノが暗くて怖いものだと思っていたけど、そうではないんだね*ねえヘンリーぼくは、愛が何なのか、どう言うことなのか分かった様な気がするよ!
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愛知県で活動しているクラウドサッカークラブの運営をしています。
日々の指導の中で感じたことを綴ります。
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